- 2021年から義務化されたアスベスト調査 リフォーム前に確認したいポイント

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築年数の経過した住宅をリフォームやリノベーションする際は、アスベスト(石綿)の有無を事前に確認することが重要です。アスベストはかつて建材として広く使用されていましたが、健康被害が明らかになったことから現在は使用が禁止されており、一定のリフォームや解体工事では、有資格者による事前調査が法律で義務付けられています。
特に2006年以前に建築された建物では、屋根材や外壁材、天井、床材などにアスベストを含む建材が使用されている可能性があります。そのため、リフォーム工事の内容によっては、着工前に調査を実施し、安全性を確認したうえで工事を進めなければなりません。
那覇市では、中古住宅や中古マンションを購入し、自分たちのライフスタイルに合わせてリフォームやリノベーションを行う方が増えています。一方で、近年は建築資材や人件費の高騰が続いており、工事の途中でアスベストが見つかった場合には、追加の調査や除去工事によって当初の予算や工期を大きく見直さなければならないケースもあります。
この記事では、アスベスト事前調査が必要となる工事の種類や対象となる建物、調査費用の目安、アスベストが確認された場合の対応について分かりやすく解説します。リフォームを安心して進めるためにも、事前に知っておきたいポイントを確認しておきましょう。
アスベストとは?リフォーム前に知っておきたい基礎知識
アスベスト(石綿)は、天然に産出される非常に細い繊維状の鉱物です。耐熱性や耐火性、断熱性、防音性に優れていることから、かつては住宅やビルなどの建築資材として広く利用されていました。その優れた性能から、「奇跡の鉱物」と呼ばれていた時代もあります。
しかし、その繊維は非常に細かく、空気中に飛散したものを吸い込むと肺の中に長期間残り、数十年後に肺がんや中皮腫、アスベスト肺などの重い健康被害を引き起こすことが分かりました。このことから規制が段階的に強化され、2006年にはアスベストを一定以上含む建材の製造や使用が全面的に禁止されています。
過去には、屋根材や外壁材、天井材、吹付け材、床材、配管の保温材など、さまざまな建築資材に使用されていました。そのため、2006年以前に建築された住宅や建物では、現在でもアスベストを含む建材が残っている可能性があります。
通常の生活で建材に含まれるアスベストが直ちに健康被害を及ぼすわけではありませんが、リフォームやリノベーション、解体工事などで建材を切断したり壊したりすると、繊維が飛散する恐れがあります。そのため、工事を始める前には有資格者による事前調査を行い、アスベストの有無を確認することが法律で義務付けられています。
アスベストが使用されている可能性がある建材
アスベストは、かつて耐火性や断熱性、防音性に優れた建材として幅広く使用されていました。そのため、2006年以前に建築された住宅では、さまざまな場所にアスベストを含む建材が使用されている可能性があります。
ただし、見た目だけでアスベストの有無を判断することはできません。リフォームやリノベーションを予定している場合は、有資格者による事前調査で確認することが重要です。
内装材
室内では、次のような建材にアスベストが使用されていた可能性があります。
〇一部のせっこうボード
〇ビニール床タイル
〇吸音材
〇断熱材
壁や天井、床の張り替えなど、比較的小規模なリフォームでも、これらの建材を撤去する工事では事前調査が必要になる場合があります。
外壁材・屋根材
屋外では、耐久性や耐候性を高める目的でアスベストを含む建材が使われていたことがあります。
代表的なものは次のとおりです。
〇吹付け仕上げ材
〇スレート屋根材
〇スレート外壁材
〇波形スレート
屋根や外壁のリフォームでは、建材を切断・撤去する工程があるため、アスベストの有無を事前に確認することが欠かせません。
鉄骨造建物の耐火被覆材
鉄骨造の住宅や建物では、柱や梁を火災から守るために耐火被覆材が施工されていることがあります。
過去には、この耐火被覆材にアスベストが含まれていた事例もあり、改修工事や解体工事の際には特に注意が必要です。
水回りや設備周辺
住宅設備の周辺にも、アスベストを含む部材が使用されていたケースがあります。
例えば、
〇浴室の壁材や一部の浴槽部材
〇給排水管の接続部に使用されるパッキン材
〇配管の保温材や断熱材
などが挙げられます。
リフォーム前に必要なアスベスト事前調査とは
アスベストによる健康被害を防ぐため、現在では建物の解体工事や一定のリフォーム工事を行う前に、アスベストの有無を確認する事前調査が法律で義務付けられています。
特に2023年10月からは、有資格者による事前調査が義務化され、これまで以上に専門的な調査が求められるようになりました。築年数や工事規模によっては「調査は不要」と思われがちですが、原則として建材を撤去・改修する工事では事前調査が必要となります。
2006年以前に建築された住宅ではアスベスト含有建材が使用されている可能性があるため、リフォームやリノベーションを計画している場合は、工事前に調査を行うことが大切です。
アスベスト規制は段階的に強化されている
近年は法改正によって、アスベスト調査や報告のルールが段階的に厳しくなっています。
2021年4月
建築物の解体・改修工事におけるアスベスト事前調査が原則義務化されました。
2022年4月
一定規模以上の工事では、調査結果を行政へ報告することが義務付けられました。対象となるのは、延べ面積80平方メートル以上の解体工事や、請負金額100万円(税込)以上の改修工事などです。
2023年10月
事前調査は「建築物石綿含有建材調査者」などの有資格者が実施することが義務化されました。
2026年1月
対象範囲がさらに拡大され、建築物だけでなく、一定の配管やボイラーなどの工作物についても、有資格者による事前調査が必要となります。
※現在では、リフォーム会社が独自の判断で調査を行うことは認められず、所定の資格を持つ調査者が建材の種類や図面、現地調査などをもとに判定を行います。
アスベスト事前調査が必要となる工事
現在では、建物の解体工事だけでなく、建材の撤去や加工を伴うリフォーム・リノベーション工事についても、原則としてアスベストの事前調査が必要です。
調査は建物の図面や建築時期を確認するだけでなく、現地で建材の種類を調べ、有資格者がアスベスト含有の可能性を判断します。調査の結果、一定規模以上の工事に該当する場合は、その内容を行政へ報告しなければなりません。
報告が必要となる主な工事は次のとおりです。
解体工事:対象となる建築物の床面積が80平方メートル以上
改修工事:請負金額が100万円(税込)以上
これらの工事では、アスベストが検出されなかった場合でも、事前調査を実施した結果を行政へ報告する義務があります。
また、調査や報告を行わずに工事を進めた場合は、法令違反となり、30万円以下の罰金が科される可能性があります。
築年数から見るアスベスト使用の可能性
アスベストを含む建材は2006年に原則として製造・使用が禁止されました。そのため、建物の築年数はアスベスト含有の可能性を判断する一つの目安となります。
ただし、築年数だけで有無を判断することはできません。実際には使用された建材の種類や建築時期によって異なるため、最終的には有資格者による事前調査で確認する必要があります。
おおよその目安は次のとおりです。
築40年以上の建物
アスベストを含む建材が使用されている可能性が比較的高く、リフォームや解体工事の際は特に注意が必要です。
1995年頃から2006年までに建築された建物
規制が段階的に進められていた時期のため、使用されている可能性は低くなっていますが、建材によっては含まれているケースもあります。
2006年以降に建築された建物
原則としてアスベストを含む建材は使用されていません。ただし、建築時期や流通状況によっては確認が必要となる場合もあるため、工事前には事前調査を行うことが重要です。
また、築年数が古い建物でも、過去に大規模なリフォームやリノベーションが実施されている場合は、アスベスト含有建材が撤去・交換されているケースがあります。そのため、リフォーム履歴や工事記録が残っていれば、事前に確認しておくとよいでしょう。
アスベスト事前調査はどのように行われる?
アスベストの事前調査は、有資格者が建物の状況を確認しながら段階的に進めていきます。調査は大きく「書面調査」「現地調査(目視調査)」「分析調査」の3つの工程に分けられ、必要に応じて次の調査へ進みます。
書面調査
最初に行うのが、設計図書や建築確認書類、施工記録などを確認する書面調査です。
建物の建築時期や使用された建材を調べ、アスベストを含む建材が使用されている可能性があるかを確認します。建材の商品名や品番が判明している場合は、メーカー資料や建材データベースなどと照合しながら判断します。
2006年9月以降に着工された建物で、書類によってアスベストを含まないことが確認できる場合は、その後の調査が不要となるケースもあります。
現地調査(目視調査)
書面だけでは判断できない場合は、有資格者が現地で建材を確認します。
壁や天井、床、屋根材などを目視で調査し、建材の種類や施工状況、メーカー名や品番などを確認します。また、リフォーム履歴や増改築の状況についてもあわせて確認し、アスベスト含有の可能性を総合的に判断します。
書面調査と現地調査でアスベストの有無が判断できれば、この段階で調査は終了します。
分析調査
書面調査と現地調査だけでは判定できない場合は、建材の一部を採取し、専門の分析機関で成分を調べます。
分析調査では、採取した試料を顕微鏡などで分析し、アスベストが含まれているかどうかを確認します。この結果をもとに、通常どおり工事を進めるか、アスベスト除去工事が必要かを判断します。
補助金を活用できる場合もあるため早めの確認を
アスベストの調査や除去には一定の費用がかかりますが、条件を満たす建物については補助制度を利用できる場合があります。
沖縄県では、民間建築物の吹付けアスベストなどを対象とした改修事業を実施しており、市町村の補助制度とあわせて活用できるケースがあります。ただし、補助対象となる建物や工事内容には条件があり、県の補助を受けるためには、市町村の補助を受けることが前提となっています。
補助制度は予算に限りがあり、年度ごとに内容が変更されることもあるため、リフォームや解体を計画している場合は、工事を始める前に自治体や施工会社へ相談しておくことをおすすめします。
まとめ
アスベストの事前調査は、リフォームやリノベーションを安全に進めるために欠かせない重要な手続きです。現在では一定の工事において有資格者による調査が義務付けられており、建物の築年数や工事内容によっては、事前調査や行政への報告が必要になります。
特に2006年以前に建築された住宅では、アスベストを含む建材が使用されている可能性があるため、自己判断で工事を進めるのではなく、専門家による調査を受けることが大切です。
那覇市では中古住宅や中古マンションを購入し、リフォームやリノベーションを行う方が増えています。安心して工事を進めるためにも、計画段階からアスベストへの対応を確認しておきましょう。
日宅ではアスベスト調査や除去工事を直接行っておりませんが、長年地域の住宅や不動産に携わってきた経験を生かし、信頼できる調査会社やリフォーム会社をご紹介しております。
「この住宅は調査が必要なのか知りたい」「リフォーム前に相談したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。建物の状況に応じて、安心して工事を進められるようサポートいたします。